教育学部集中講義「教育経済学」(妹尾渉先生)
2013年8月30日~9月2日、妹尾渉先生(国立教育政策研究所教育政策・評価研究部 総括研究官)をお招きしての集中講義「教育経済学」が開講されました。
教育の「費用効果分析」というテーマのもと、費用と効果を測定する上での困難や、それへの対応策、その際に注意すべきことなど、具体的な事例も参照しながら学びました。教育的な課題について経済学的な視点で行われる分析に今まであまり触れたことがなかったためとても新鮮でした。
教育的課題に取り組む際には教育の領域内だけの代替案(解決策)のみならず、その他の領域からのアプローチについても検討することが重要であるということや、費用には金銭支出などの直接的な費用だけでなく、放棄所得などの機会費用と呼ばれる間接的な費用についても考慮する必要があるということなど、初歩的なことなのかもしれませんが、はっとさせられることや気づきの多い集中講義でした。
また、「分析者は中立な立場で」や「感応度分析(費用効果分析で用いる仮定された数値を変動させて結果の違いを確認するもの)を行うなどして分析の不確実性や限界について自覚し記述しておくこと」といった先生の研究に対する厳しい姿勢には敬服させられるばかりでした。
今回の集中講義で触れられた見方や考え方をこれからにもつなげていきたいと思います。
(文責:稲月ひかり)
更新日:2013-09-11 16:41