2017年度前期教育学部集中講義「学校経営学演習」(末松裕基先生)開講
2017年9月18日(月)~9月20日(水)、末松裕基先生(東京学芸大学教育学部、准教授)をお招きして、集中講義「教育政策学演習」を開講いただきました。
「現代の学校経営環境及び学校の組織特性の理解を目指」す本講義では、『現代の学校を読み解く―学校の現在地と教育の未来―』(末松裕基編、2017年、春風社)をテキストにしながら、受講者を交えた積極的な議論が展開されました。
例えば、社会問題に対する選択コードを設定する近代的な手段であった教育が「情報が命令化する社会」が訪れたことによって、今や選択コード過多の状況にあるといった議論を皮切りに、受講生の疑問から「ポストモダン」「Second modernity」「現代」など時代をどのように捉ることができるのかといった視点やその変遷過程において何が変容してきたのかといった論点が展開されました。それを受けて、末松先生からは、ウルリッヒ・ベックが提唱した「メタ・チェンジ」(変化の仕方が変化すること、変化の変化)という概念が説明され、そうした変化が時代の変遷の中で生じているとする主張が紹介されるなど、授業内容は縦横無尽に展開されていきました。
本講義を受講した学生は、事前課題としてレジュメを作成した章については特に積極的な意見の提示が求められました。それぞれに四苦八苦しながらも、頭を精一杯働かせるなかで、能動的な学びを深めることができたように思います。
また、講義初日の夜は、研究室で末松先生を囲み親睦を深めるなど、集中講義の期間中は、講義以外の時間も非常に密度の濃いものとなりました。
今回TAとして講義に参加させていただいた者としては、授業日程の急な変更をもたらした台風接近に大いに振り回されることになってしまいましたが、末松先生との出会いは、そうした苦労を忘れさせてくれる非常に刺激的なものとなりました。今年度も集中講義を通して、得た学びを今後の研究生活に活かして、ますます精進して参りたいと思います。
(文責:木村栞太)