「学校組織に関する公開研究会(九州大学アカデミック・マネジメント研修)2019」開催
2019年12月26日~27日に、九州大学伊都キャンパスを会場として、「学校組織に関する公開研究会(九州大学アカデミック・マネジメント研修)2019」を開催しました。
2006年から開催されてきた九州大学の公開講座である「学校管理職マネジメント短期研修プログラム」、そして、昨年度は「若手教員向け組織マネジメント研修」を行い、今年度は学校組織に関する文献を読む「アカデミック・マネジメント研修」と銘打って実施されました。
今回は、日本教育経営学会研究推進委員会企画としても実施されており、特に、古典に学ぶ「巨人の肩の上に立つ」(Standing on the shoulders of Giants)ことを目的として、学校経営学のレジェンドが執筆した著作を読み進めるセッションを3本、新進気鋭の研究者、特別ゲストを招いて「著者と著書を語る」(Author Visit)セッションを3本実施しました(著作とナビゲーターの紹介は下記のページに記載されています)。
https://motokane-lab.com/~schoolleaders/~news/331/
レジェンドの著作を読むにあたり、関連分野で第一線で活躍する研究者がナビゲーターを担当し、著作の概要、論点、刊行時の時代背景、現在の研究への継承の可能性と課題などについて考えることが参加希望者に事前課題として提示され、当日は提示された内容を中心に議論がなされました。
今回の研究会では、かつて、九州大学で教鞭を執られていた中留武昭(九州大学名誉教授)先生にもご出席いただき、ご著書である『戦後学校経営の軌跡と課題』(教育開発研究所、1984 年)を中心に、ご自身の研究の原点から九州大学在任中の活動に至るまで、学校経営研究に関して濃密なご報告をいただきました。また、教育経営学界で共に切磋琢磨してきた、筑波大学名誉教授の小島弘道先生との質疑応答のやりとりの中で、これまでの教育経営学研究、レジェンド達と当時、どのような議論がされていたのかについても話題が広がりました。
今回の研究会は、福岡市でも郊外に位置しており、交通の便が必ずしも良いとは言えない伊都キャンパスでの開催にもかかわらず、関東、北陸、東海、関西、中国地方から数多くの参加者にお集まりいただきました。そして、日本教育経営学会の会員に限らず、教育学でも他領域を研究されている方のご参加、福岡市、広島市の学校現場関係者の方々にもご参加いただくなど、幅広い参加者により活発な議論がなされたのは大変意義深いことではないでしょうか。
古典を読み、先人たちの考えや研究における「闘い」に触れ、そして、第一線でご活躍されている先生方と議論することができた本研究会は、今後の学界を発展させていくうえで1つのきっかけになるのではないでしょうか。
年末のお忙しい中、ご参加いただいた皆様に心よりお礼申し上げます。
(文責:小林昇光)