第111回九州教育経営学会が開催されました

2023年11月23日(木)、九州大学伊都キャンパスにおいて、「九州教育経営学会 第111回定例研究会 『社会に開かれた教育課程』をどのように実現するか」が行われました。

全体シンポジウムでは、「社会に開かれた教育課程」をどのように実現するかをテーマに、国内外の実践について討議が行われました。シンポジウムの流れとしては、発表者の研究発表が行われた後、報告に対する質疑応答が指定討論者の柴田里彩会員(高知大学教育学部助教)より行われ、すべての発表終了後に元兼正浩会長と鄭修娟会員(九州産業大学講師)により全体討論と質疑応答がされるという流れで執り行われました。

とりわけ本シンポジウムの発表では、「社会に開かれた教育課程」の中でも、地域に根差した教育活動の実践例を以下の2名より報告していただきました。発表題目は以下のとおりです。

・福井佳織(高知私立義務教育学校 土佐山学舎 校長)実践報告地域ぐるみで育む郷土愛—世代を超えて学び合う「社学一体」教育の理念を基盤に
・梁炳贊(韓国公州大学校 教授/ 韓国平生教育学会副会長)海外事例 マウル教育共同体の取り組み

指定討論の際には、学校と地域の連携を主軸とした上記2名の実践報告に対して、そうした地域に根差した教育活動が目指す子どもの成長は、将来その地域に貢献するための人材育成を目的としているのか、あるいは国際社会を牽引する人材育成を目的としたものであるのかとの問いが出され、「社会に開かれた教育課程」が示す「社会」の意味を問い直す議論が展開されました。また全体討論では、地域間での学校との連携に対する意識の違いが指摘され、地域一体型教育が新たな教育格差を生み出す可能性についても議論が行われました。
今回の研究会では、国内外の事例検討を通して、「社会に開かれた教育課程」の中でも特に地域連携型教育についての議論が行われましたが、「社会に開かれた教育課程」を行なっていくことの意義や可能性について改めて問い直す有意義な時間になったと思います。



最後になりましたが、本研究会の企画・運営をしていただいた先生や諸先輩方に改めて感謝を申し上げるとともに、今後も本事業が継続・発展していくことを祈念いたします。

(文責:福井美空)

更新日:2024-06-13 21:23

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