事例紹介(2)

 

1.コンサルテーションの概要

 

 

 【経緯】

 本事例のコンサルタントであるMは、事例校を設置しているM市教育委員会より要請を受け、同校の学校運営協議会(以下、CS)委員として平成19年春より関与するようになった。以後、1か月ごとに協議会やその事前協議などで同校に深く関わるようになり、職員とも授業を参観したり、協議や研修を行ったり、懇親会を催してもらったりしながら信頼関係を構築していった。

 

【学校側の課題】

事例校では学校評価項目の設定方法やその妥当性について不安を感じており、平成20年度のCSでの協議やその事前打ち合わせの多くの時間を学校評価(自己評価・学校関係者評価)の進め方に費やすこととなった。特に市教育委員会の方向性と学校がめざす評価のあり方との折り合いをどうつけるかが同校の悩みでもあった。

 

【課題に対する助言】

 学校評価ガイドラインに示されているように、あくまで学校の改善に繋がる評価を各学校が主体となって推進することをコンサルテーションの基本方針とし、学校の背中を後押しする方向の助言を行った。学校評価の趣旨からすれば、各学校がめざす教育目標のベクトルに歩み出しているかどうかを学校内外の関係者に問いかける評価であるべきことをコンサルテーションにおいて確認した。

 

【成果】

 学校独自の評価項目の設定も上記コンサルテーションに基づくものであったことから、市教育委員会の態度も軟化し、その結果、事例校にとって有用となる自己評価-学校関係者評価を行うことができた。また、市町村教育委員会の考えが変容することにより、その成果は他校にも波及することが期待される。