「九州教育経営塾Web」

本ページは、教育経営実践に関わりの深い先生方のページです。
社会人院生を経験された先生方や「九州教育経営学会」会員の先生方に執筆いただきます。
初回は、平成21年10月に入学された平嶋一臣先生の寄稿文を掲載させていただきます。

 

 

先生方、テーマを持って勉強を、共にやってみませんか

修士論文を書き終えて ―入道雲が空を突きはじめた 私の道はまだ遠い―

校長時代の近影

定年退職をしたら、自分のやりたかった幼児・児童期に関する勉強を、ゼロから学んでみたいとの願いで、九州大学大学院の門を叩いたのが、一昨年の夏のことでした。その念願が叶って早や2年の月日が過ぎました。時の流れをこれほど早く感じたことは、これまでの私にはなかったように思います。それほど、この2年間が、充実していたと言えます。

 

とはいえ、歳も行き何かと理解が遅くなっている私は、先生への質問も多く、度々授業を遅滞させ迷惑をかけました。そんな私を、クラスの若い仲間達は、嫌がりもせず、始終笑顔で見守ってくださいました。また、海外からの留学生さんともたくさん友達になり、日本贔屓の私が、かなり国際人・地球人になったことも、得がたい勉強でした。この方々の若さと、その猛烈な勉強ぶりが、私の研究意欲をさらにかき立ててくれたことは、言うまでもありません。

 

1年が過ぎようとする頃から、そろそろ修士論文に向かおうと、頭を切り替え始めました。『定年までは、毎年一教育実践発表』と決めて、それを実行してきた私でしたが、文献を読みデータを集めての本格的な論文は、これまでに経験したことはなく、スタートの時から躓いてばかりでした。そんな状態の私を、担当の先生は、いつも笑顔で研究室に迎えていただき、激励の言葉をかけては、昼に夜に懇切丁寧に指導してくださいました。おかげさまで、私の長年抱いてきた『幼小連携教育』の構想の一端を、2年間という短い期間でまとめることができました。 

 

また、大学院先輩には、パソコンの扱い方や論文の組み立て等、折々お世話になり大変助けられました。

 

今、振り返りますと、『幼小連携教育の在り方』を掴む道のりは、さらに遠く深いものを感じております。終章にも書きましたように、今回の論文発表は、私にとって連携教育への新しい課題が見つかる良い機会ともなりました。それはまた、新たな出発点に立つことができた勉強でもありました。難問山積みの、今後の『幼小連携教育の在り方』を求める旅が、再び始まります。本音を言えば、大学院に残り、若い皆さんのパワーを吸収しながら、もっと勉強を続けたいのですが、諸般の事情がそれを許さないようです。これからは、『九州教育経営学会』の一員として、今回の修論で新たに浮かんできました課題や、私の一生涯の研究テーマとしたい、幼児・児童期に関する小論を少しずつ発表していきたいと考えております。

 

入道雲が空を突きはじめた 私の道はまだ遠い

 

 

 

先生方、テーマを持って勉強を、共にやってみませんか

九大キャンパスの紅葉

以上は、先日(8月19日)書き終わり提出しました、修士論文最終ページの「あとがき」からです。冒頭にも書いておりますように、遅々とした研究でした。しかし、若い頃と違い、道が幾つも分かれているわけでもなく、自分の好きで選んだテーマの一本道を探究するための入学でしたので、自分の現役時代の「勉強の仕方」を反省する良い機会ともなりました。

 

現職の先生方、昼とは違った環境で、若い仲間に囲まれリフレッシュしながら、さらなるスキルアップを目指しませんか? 

退職された先生方、自分がずっとずっとやりたかった勉強を、大学院で再スタートしてみませんか? 勉強の面白さという体験を、再び取り戻す得難いチャンスです。若さを取り戻せるのはもちろんのことです。

 

 

編集委員から

平嶋先生の教職生活38年は、南米の日本人学校での海外勤務、通算23年の離島勤務など、多くの活動に彩られたものです。校長として教員生活の最後を迎えた小呂島での実践は、小・中一貫教育、体験学習、地域振興といった様々な面で大きな影響を与えるものとなりました。多彩な経験と、それに裏打ちされたお人柄はさまざまな方を引き寄せる不思議な力を持っておられます。

 

現在も短大特任准教授として、また小学校のゲストティーチャーとして教育活動に携わっておられる平嶋先生のますますのご活躍をお祈りしております。

 

写真

上段:退職前の開襟シャツ姿 下段:在学時、キャンパスの紅葉を背景に