第5回公州大学校師範大学・九州大学教育学部 国際学術フォーラム開催

 9月22-25日、韓国の公州大学校にて、「第5回公州大学校師範大学・九州大学教育学部 国際学術フォーラム-教育の新たな視点と実践-」が開催されました。

 2012年度から始められた本事業は、九州大学、公州大学校の両校で教員・大学院生による研究発表を通した学術交流を行っており、本年度で5回目の開催となりました。昨年度は、九州大学に公州大学校の訪問団をお迎えし、今年度は九州大学から公州大学校を訪問するかたちとなりました。

 フォーラムの開始に先立ち、バク・ダルウォン(公州大学校師範大学学長)、元兼正浩(九州大学教授・訪問団団長)よりご挨拶いただきました。実際の発表では、両校の教員・院生から、教育学の各専門領域から導き出された研究知見が発表され、総合討議では、分野・言語の垣根を越えて、活発な議論が展開されました。総合討議終了後も両大学の発表者間で議論が活発に行われており、国内学会では経験できない刺激があったかと思います。

 九州大学からは、大学院生の原北祥悟氏、鄭修娟氏、黄慶旭氏、池田竜介氏、教員では田上哲教授(発表順)が研究発表を行い、総合討議の司会は元兼正浩教授が務めました。

 当研究室からは、2名の大学院生が学術フォーラムにて発表を行いました。

・原北祥悟(博士後期課程)

「公立高等学校における非正規教員の採用戦略―福岡県立高等学校を事例とした予備的分析―」

공립고등학교에 있어서의 비정규교원 채용전략 - 후쿠오카현립 고등학교를 사례로 한 예비적 분석

・鄭修娟(修士課程修了)

「日本におけるALT政策の「変化要因」に関する考察―歴史的制度論の視点を中心に―」

일본ALT 정책의 「변화요인」에 관한 고찰-역사적 제도주의 시점을 중심으로

 学術フォーラム以外にも、韓国の教育改革先進校である小学校、地域における教育共同体の中心役となっているコミュニティ図書館等を訪ねるスタディツアー、そして公州大学校との交流会が催されました。スタディツアーでは、革新学校と呼ばれている、世宗市のミル小学校を見学しました。まちの文化づくりを意識した教育活動、教員の個性を尊重する学校組織のマネジメント、家庭・地域社会との連携方策などをご報告いただきました。日本との共通点の多さ、価値観が異なる部分などどれも新鮮で、研究的示唆に富むものばかりでした。

 公州大学校との懇親会では、本場の韓国料理を囲みながらお酒を酌み交わし、韓国語や英語、ジェスチャーを交えるなどしてコミュニケーションを取り、交流を深めました。

 今回のフォーラムのテーマは、「教育の新たな視点と実践」でした。本フォーラムでは日韓両国の研究者が互いに歩み寄り、議論を交わすことによって新たな視点と知の獲得を試みることができたと考えております。また、実践の面においても、スタディツアーで訪れたコミュニティ図書館、ホンドンパルマックは地域の知の拠点であり、学校と地域をつなぐ存在として、更には生活の場として多くの組合機能ととても長い歴史を有していることを知ることとなりました。教育の新たな視点と実践がフォーラムの主題でしたが、人口減少化や過疎化の進行、教育現場へ責任が強く差し向けられる現在の日本社会からすると、このようなコミュニティ図書館から、新たな教育のかたちを学びとることができるのではないかと考えます。

 本フォーラムのために多くの準備をしてくださった公州大学校の皆様、そして九州大学の関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。来年は、公州大学校の皆様に九州にお越しいただき、手厚くおもてなしを致すことで、お返しができればと考えております。

 また、今回の交流事業では、当研究室からは申芸花氏、鄭修娟氏が韓国語通訳として、研究発表の通訳、資料翻訳等で多大なご尽力をいただきました。深く御礼申し上げます。

 

 (文責:小林昇光)

更新日:2016-10-17 14:16

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