若手教員マネジメント短期研修プログラム

2018年12月26日~12月27日にかけて、九州大学伊都キャンパスイーストゾーン1号館2階コミュニティラーニング・スペースに於いて、若手教員のための公開講座「若手教員マネジメント短期研修プログラム」が日本教育経営学会研究推進委員会共催のもとで行われました。

 

本プログラムは、スクールリーダー教育の先導的実践プログラムとして2006年より本学にて行われてきた、学校管理職マネジメント短期研修プログラムを引き継いだものです。2008年10月には管理職対象のプログラムの成果とノウハウを全国の関係者に向けて発表しています(第2回「日本教育経営学会実践フォーラム」於:日本教育会館、雪丸武彦氏・楊川氏共同発表)。

スクールリーダーのモラールを高めるだけでなく、豊かな着想、実行力、優れた指導力を有した管理職の起用を促進する点から開催される本プログラムを引き継ぐ形で、2018年度より、九州大学学校経営コンサルテーション室では、学校における年齢構造の変化や学校教職員の多忙化問題に鑑み、初任および若手教員を主たる対象としたマネジメント研修プログラムを企画いたしました。若手教員を対象としたマネジメント研修プログラムは、全国的にもその嚆矢として位置付けられる、革新的な取り組みとなります。

本年度は九州大学箱崎キャンパスからその拠点を移し、伊都キャンパスにて、福岡県、福岡市、北九州市からの24名の先生方のご参加をいただき、2日間の日程で開催されました。公開された講座の担当講師と講座名は以下の通り。

 

【Ⅰ】町支 大祐先生(立教大学)

「若手教員の学びを科学する」(アイスブレーク含む)

 

【Ⅱ】臼井 智美先生(大阪教育大学)

「組織を見る目を養う-マネジメントマインドの獲得に向けて」

 

【Ⅲ】山下 晃一先生(神戸大学)

「「社会に開かれた教育課程」時代の授業づくりと学校組織」

 

【Ⅳ】武井 哲郎先生(立命館大学)

「インクルーシブ教育のための組織づくり」

 

【Ⅴ】末松 裕基先生(東京学芸大学)

「経営の視点で学校を考え、動かすとは?-学校経営の基本的な理解に向けて」

 

【Ⅵ】元兼 正浩先生(九州大学)

「次世代スクールリーダーの条件-2030年の学校に向けて」

 

プログラムの参加者からは、「若手教員だからと言って、まだマネジメントは先の事だと思っていましたが、今の時代においては、すぐに関係してくることなのだと、痛感しました。様々な角度からのお話を聞けたので、とても勉強になりました。また、このような研修があれば参加したいです。」(24歳、小学校教諭)、「もっと多くの若手(20代前半)が参加すべきだと思いました」(23歳、小学校教諭)、「これからの学校経営についてどういった方向に向かっていくのかを考えることができた」(25歳、中学校教諭)、「これまで具体的な指導法の研修ばかりだったが、今回のように組織とは何かを見つめなおすことは、自分たちが感じている「学校の当たり前」を見直すことでもあり、とても刺激になりました。これからは組織や経営、マネジメントという視点から学校での仕事を見ることができるようになりたいと感じた。2日間ありがとうございました」(25歳、小学校教諭)といった反応が得られました。

 

また本年度の運営は、木村栞太(テクニカルスタッフ)をスタッフのチーフとして、新たな運営陣のもとプログラムを実施しました。本プログラムのリサーチアシスタントとして博士後期課程のジョン・スヨン、申芸花、殷爽、柴田里彩、運営スタッフとして博士課程の原北祥悟、小林昇光、修士課程の呉家瑶、研究生の李菲儿、学部生4年の阿南和泉、以上計10名の元兼研究室の学生が中心的な役割を担いました。

新たな企画、新たな体制での運営となり、不安の大きい状態での実施となりましたが、受講者の先生方のご協力のもと、なんとかプログラムを終えることができました。ご参加された先生方にはご不便をお掛けした点も多々あったかと思います。今後の反省点として、改善に向けて努力して参ります。以下、事務局スタッフ4名のプログラムを終えての所感を掲載いたします。

木村

学部生の頃から当日スタッフとして関わってきた本プログラムの運営も早いもので6回目の参加となりました。今年度は、10月に移転した伊都キャンパスで「若手」(自称含む)の先生方をお招きすることになりましたが、比較的年齢の近い先生との邂逅に、例年とはまた一味違った楽しみを得ることになりました。

初任者研修などご多用な中、遠方からもご参加いただいた先生方もいらっしゃいましたが、上記の感想にもございましたように、非常に充実した講師陣をお迎えしての2日間ということで、大変密度の濃い充実した時間をお過ごしになっていたように感じています。そのような場を作り上げる一助となるおとができたことを誇りたいと思います。

最後に、微力ではございましたが、この場にお力添えをいただきました講師の皆さま、諸々大目に見ながらお付き合いいただいた受講者の先生方、そしてスタッフほかお世話になりました皆様に、心からの御礼を申し上げます。ありがとうございました。

 

ジョン

 今までマネジメント研修は、箱崎での暑い思い出として記憶に残っていましたが、今年は新キャンパスでの冬開催ということで、何かワクワクしながらも、緊張していました。しかし、講師の先生方をはじめ、RAのみなさんや院生・学部生のスタッフたち、そして二日間、伊都キャンパスまで来られて一生懸命に研修を受けられた24名の受講者の皆様のお蔭で、今年度も充実したプログラムを運営することができました。今までとは違って「若手」の先生たちを対象にする研修であったため、近年の若手教員をめぐる状況や課題について事前に研究室ゼミや授業などで勉強したり、議論したりするなど、少しでも力になれるように準備いたしましたが、実際に研修の運営に関わらせていただきながら、力不足や至らない点が多く、受講者の先生方の期待に見合う仕事が出来ただろうか、と反省しております。今回の研修は例年より短い期間で行われましたが、受講者の先生方にとっても、また講師の先生方にとっても、この研修が頭のどこかに忘れられない冬の記憶として残り、いつか大切な力になっていくことを願っております。いつもマネジメント研修が成り立つまでには、多くの方々の力が必要であることに気づきます。今年度もまさに、「マンパワー」で成り立った研修でした。そのお力添えをいただいた皆様に心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました。

 

マネジメント研修が終わった日に二日間の振り返りをしたことで、RAと当日スタッフで、不足点と良かった点について、交流し、共有することができました。そして、マネジメント研修の講義を聴講することで知識を増やすことが出来、RAとして関わることで貴重な経験になりました。

 

研究生時代箱崎キャンパスで、本プログラムの企画から実際の運営、最後の反省と全ての過程で努力する先輩方の姿を遠く眺めてきました。印象に残っているのは、プログラムの準備には煩雑な作業がいろいろとあるということです。

今年度はRAとして実際にプログラムの企画・運営に参加することになりましたが、昨年度までと異なり、研修の会場が九州大学伊都キャンパスに変更となり、また受講者の年齢層も少し変わるため、最初はとても不安でした。開講前の会場設備や当日朝の受付を経て、講義が開始する1時間前すでに大学に到着した若い先生の笑顔から、研修を受ける意欲が高いことを読み取れました。私もどんどん安心してきました。

実際の研修当日を迎えるまでに受講者の先生方からご質問等頂戴することもありましたが、うまく説明できなかったことを反省しています。今後は、受講者の先生方のニーズに合わせて、より丁寧に説明できるよう、事前に準備しておく必要があると思います。

今回のプログラムは本当に勉強になりました。この場をおかりして、かかわらせていただいた皆さまに感謝申し上げます。

 

 

最後に、学校管理職マネジメント研修プログラムにつきましてはこちらをご参照ください。

「学校管理職マネジメント短期研修プログラムHP」

https://motokane-lab.com/~schoolleaders/~maneken/home/

(文責:木村栞太)

更新日:2019-04-15 13:01

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