第12回九州大学教育学部・公州大学校師範大学 教育研究国際フォーラムが開催されました
2023年8月30日~9月1日、九州大学伊都キャンパスにおいて「第12回九州大学教育学部・公州大学校師範大学教育研究国際フォーラム」が行われました。COVID-19禍の収束の兆しが見えた今回、九州大学では4年ぶりの対面開催となり、公州大学校から7名の先生方、9名の大学院生の方々が訪問されました。
本年度は「学校と地域の教育活動を支える学術研究」というテーマで、学校と地域それぞれの教育活動を探るだけではなく、学術研究を通して、双方の関係性やあり方を探る国際フォーラムを実施することができました。
当日は、橋彌教育学部長からの祝辞とイン・ヒョヨン公州大学校教育学科長からの挨拶をいただき、交流の記念に、両大学間の記念品贈呈が行われました。九州大学からは歴史の深みを感じることが出来、今後の末永い交流の思いが込められた竹細工の花瓶を公州大学校の方々にお贈りしました。
フォーラムでは教員によるプレゼンテーション発表と院生によるポスター発表、教員による基調報告が行われ、まとめとして総合討論を兼ねた総括の順に実施されました。
本研究室からは、修士課程の小椎葉大樹がポスター発表を行いました。
発表題目は以下の通りです。
【ポスター発表】
小椎葉大樹(修士課程1年)「課程認定制度の実態における一考察-「教育の基礎的理解に関する科目」に着目して-」
今年のフォーラムでは両国の学校と地域を取り巻く現状や問題関心を共有することができました。知的障害特別支援学校における学際的実践研究や学校選択制、教育実習体制のような学校側の報告と生涯学習政策や住民自治会、まち(マウル)教育共同体活動家のような地域側の報告は幅広い問題関心に基づいたものでしたが、それらを固有なものであるとだけ捉えるのではなく、学校地域連携における学びの往還や、公教育の暴力性と必要な子供の居場所など、それぞれがどのように関わっていくのかを考えさせられる有意義な時間となりました。
また、全体討論の際に提起された両国の実践を通した、理論と実践の対等性/階層性や分離・融合問題などについてもフォーラムだけでなく、これから改めて考えなければならない問題であると感じられました。
フォーラム以外にも2日目には、別府公民館とSOS子どもの村JAPANへ訪問し、主に地域の教育活動に関する視察見学を行いました。
別府公民館ではコロナ禍以降の公民館事業の特徴がある公民館として、住民が中心となって各々の興味関心に沿った活発的な活動内容とその支援について紹介いただきました。
またSOS子どもの村JAPANでは、里親養育の推進と教育行政の関わり方の模索について現状を踏まえながら報告いただきました。
その後に行われた質疑応答の時間では、韓国の教育制度を取り巻く環境や地域の教育活動に関する考え方など、沢山の意見と質問が出され、フォーラムで学んだ両国の教育現状における共通点と違いについて経験を交えながらより深く理解することが出来ました。
本フォーラムのため、福岡までお越しいただいた公州大学校の方々に感謝すると共に、対面開催を経験したことのない院生が多い中、事前準備も含め、フォーラムのために熱心に活動してくださった九州大学の先生方々と院生・学部生の皆様にも感謝いたします。
2019年の投稿にも記載があった通り、「玄界灘の友」を合言葉に本フォーラムが末永く続いていくことを心より祈ります。
(文責:小椎葉大樹)